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特集 めまい:診断と治療

めまい診療における眼球運動検査

Eye movement testing of vertiginous patients.

今井貴夫北原糺

Pharma Medica Vol.31 No.10, 9-14, 2013

「はじめに」前庭系の機能異常により平衡障害が生じ, めまい症状が出現する. 前庭系は前庭動眼反射により眼球運動を誘発するので, 前庭系の機能異常が存在する場合, 前庭系を介する眼球運動に異常がみられる. よって, めまい診療において眼球運動検査は前庭系の機能異常を検出する最も重要な検査の1つである. 眼球運動検査には, 自発眼振検査, 注視眼振検査, 頭位・頭位変換眼振検査などのように正常ではみられない異常眼球運動の有無を観察する検査, および, 視運動性眼振検査, カロリック検査, head impulse testなどのように視刺激や前庭刺激に対する眼反射の応答をみる検査がある. 「I. 眼球運動の観察, 記録法」「1. フレンツェル眼鏡」フレンツェル眼鏡(Frenzel眼鏡)とはレンズに焦点距離が5cmほど(15~20ジオプトリー)の凸レンズを使用した眼鏡である. これを被験者に装用してもらい, 眼球運動を観察する(図1).

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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