【特集 黄斑疾患診療の最前線】
黄斑疾患診断のための最新の検査法 眼底自発蛍光
掲載誌
Pharma Medica
Vol.31 No.7 19-22,
2013
著者名
石龍鉄樹
記事体裁
抄録
疾患領域
眼疾患
診療科目
眼科
媒体
Pharma Medica
[はじめに] 眼底に自発蛍光があることは, 蛍光眼底造影法が開発された1960年代から知られていたが, 実際臨床に応用されるようになったのは最近のことである. 本項では眼底自発蛍光の基礎と臨床的所見について述べる. [I. 眼底自発蛍光の基礎] われわれが物体をみるとき, 物体に当たった光の反射光を網膜で捉えている. 物体に光が当たると一部は反射されるが, 一部は物体に吸収される. 吸収された光の一部は, 物質内の電子を励起し, 電子が励起状態から元の状態に戻るときに再び物体から光が放出される. この光が蛍光と呼ばれている. 日常環境や生体内にも蛍光をもつ物質は多くあるが, 蛍光はきわめて微弱で, 日常これらの蛍光を目にすることは少ない. 最近は医療光学技術の進歩により, 微弱な光を捉えることができる医療機器が登場し, 生体の固有の物質が発する微弱な蛍光を捉えることができるようになってきた.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。