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地方医療史概観 製糸の町で開業医90年モノ語り

第15回 済生会下賜品など(大正から昭和)

白川貴士

Pharma Medica Vol.31 No.4, 142-143, 2013

戦前は官尊民卑ということで勲章は官吏でなくてはもらえなかった. 貴族院多額納税者議員であり製糸業で日本を支える片倉兼太郎でさえ従六位紺綬褒章なんだが, 同じ頃の山形県衛生部課長だったら高等官五等従六位勲六等ぐらいなもんである. トヨタの社長より県衛生部主管の方が高位というのは現代では理解しにくかろう. 純然たる中央集権であるから市町村長より郵便局長の方が微妙に偉かったりする. さすがに立憲議会制度国であったから序列では勲位より官職の方が高い, 村の式典となると村長正八位, 郵便局長従八位の順で次に在郷軍人正八位勲八等功七級ぐらいが幅をきかせてくる. 村の校医さんであるところの無位無冠医学得業士殿の登場はもうちょっと下の方になるのである. さて, 戦前の官民差別ということであるが, 戦後の昭和天皇ご巡幸に際して, 旅館など民間施設などはとんでもないということで, 陛下は県庁の講堂に作った仮設ベッドに寝させられたり, 停車したお召し列車で御寝遊ばされたそうである.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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