【特集 整形外科領域と再生医療】
              
 神経再生 iPS細胞と人工神経を用いた末梢神経再生治療開発
                  掲載誌
                
 
                  Pharma Medica
                  Vol.31 No.4 37-42,
                  
                    2013
                  
 
                    著者名
                  
  
                          上村卓也
                        / 
                          高松聖仁
                        / 
                          中村博亮
                        
 
                    記事体裁
                  
  
                          抄録
                        
 
                    疾患領域
                  
  
                          神経疾患
                        / 
                          骨・関節
                        / 
                          再生医療
                        
                    診療科目
                  
  
                          整形外科
                        
 
                    媒体
                  
 
                      Pharma Medica
                    
 「はじめに」山中伸弥教授は人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cell;iPS細胞)の発見により, 2012年ノーベル医学・生理学賞を受賞した1). iPS細胞は現在再生医療において最も脚光を浴びている幹細胞の1つである. 再生医療とは, iPS細胞を含めさまざまな細胞を用いて傷害された生体組織を再生させることであるが, 細胞を生体組織に再生誘導させるために, 細胞が分化・増殖しやすい周辺環境つまり足場を設定することが不可欠である. またこの足場に成長因子を付加することで, 細胞が効率よく分化・増殖可能となり, 組織再生が促進される. つまり再生医療では細胞, 足場, 成長因子の三要素をうまく組み合わせることが肝要である2). 整形外科領域において四肢の末梢神経欠損に対しては, 従来, 自家神経による移植治療を行っていた. 自家神経の採取に伴う正常神経の犠牲や採取長の制限などの問題を克服すべく, 末梢神経の再生医療の研究ではさまざまな人工神経の開発が行われてきた3).
          ※記事の内容は雑誌掲載時のものです。