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特集 災害ストレスとPTSD:災害医療の観点から

災害メンタルヘルスの中長期的課題と支援のあり方

大塚耕太郎酒井明夫中村光赤平美津子冨沢秀光佐藤瑠美子佐々木紀子山崎創前川貴美子

Pharma Medica Vol.30 No.12, 25-28, 2012

「I. 地域の3領域におけるこころのケア」被災者のこころのケアの領域は大きく「医療」, 「保健」, 「福祉」の3領域に区分される. 医療は主に医療機関などによる専門的ケアが実施されている. うつ病, 心的外傷後ストレス障害(post-traumatic stress disorder; PTSD)をはじめとする災害ストレスと関連した精神疾患の診断・治療などを行っている. また, 保健のラインでは, 主に保健師らによる予防介入や健康増進活動としてこころのケアが実施されている. 健康相談, 健診, スクリーニングなどで震災ストレスによって影響を受けている住民に対する予防介入, 住民に対する健康教育を通しての健康増進活動, 支援者に対する研修などを通じた人材養成を行っている. 福祉領域は, 行政の福祉担当課や社会福祉協議会などによる生活支援や見守り活動を実施したり, 介護福祉領域の従事者が高齢者や障害者への支援を行っている. たとえば, こころのケアとして, 生活支援相談員(社協)や民生委員などによる訪問活動による見守り, 仮設住宅集会場でのサロン活動, 包括支援センターによる介護予防としてのこころのケアなどが行われている.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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