【特集 肺高血圧診療の最前線】
肺高血圧における画像診断:MDCTの進歩
掲載誌
Pharma Medica
Vol.30 No.11 29-33,
2012
著者名
杉浦寿彦
/
田邉信宏
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
/
呼吸器
診療科目
一般内科
/
循環器内科
/
呼吸器内科
/
老年科
/
放射線科
媒体
Pharma Medica
「はじめに」肺高血圧症は, 右心カテーテルによって, 測定した安静時平均肺動脈圧の25mmHg以上への上昇と定義されている1). 肺高血圧症をきたす疾患としては, 肺動脈性肺高血圧症(pulmonary arterial hypertension; PAH), 慢性血栓塞栓性肺高血圧症(chronic thromboembolic pulmonary hypertension; CTEPH), 呼吸器疾患, 心疾患など, さまざまなものがあげられ, また症状が乏しかったり, 運動時の息切れ, 易疲労感など, 非特異的なことが多く, しばしば診断に苦慮する. 診断のための検査としては, 胸部X線, 心電図, 心エコー, 動脈血液ガス分析, 胸部CT, MRI, 肺換気・血流シンチグラム, そして右心カテーテルと肺動脈造影が施行される. このなかで胸部CTは近年の技術的進歩が著しく, 肺高血圧症の非侵襲的画像診断に大きな役割を果たしてきている.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。