【特集 高尿酸血症の新しい展開;生活習慣病のリスクとしての位置づけ】
特集にあたって
掲載誌
Pharma Medica
Vol.30 No.7 7-8,
2012
著者名
松澤 佑次
記事体裁
抄録
疾患領域
代謝・内分泌
/
腎臓
/
骨・関節
診療科目
一般内科
/
整形外科
/
リウマチ科
/
腎臓内科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
/
老年科
媒体
Pharma Medica
痛風はかつては整形外科領域の疾患であり, 薬物治療としては鎮痛薬のコルヒチンが痛風治療薬とされていた. 約40年前にアロプリノールが発売されるとともに, わが国では, 東京大学, 虎の門病院の御巫清允先生が痛風の成因である高尿酸血症治療の重要性を精力的に啓発するとともに, 尿酸合成亢進型と排泄低下型に病態を分類することによってきわめてクリアな治療指針を設定された. その後それを基に今日までアロプリノールと排泄低下薬の組み合わせによって, 痛風に伴う高尿酸血症の治療が40年間にわたって続けられてきた. しかしながら, 不思議なことに, これまで薬物治療の適応は, 「痛風, 高尿酸血症に伴う高血圧症」という対象に限定されていたのである. つまり高尿酸血症であっても, 痛風を発症しているか, またなぜか高血圧を伴っている場合以外は尿酸を下げる治療が認められていないという状態が40年も続いてきた.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。