<< 一覧に戻る

結核と非結核性抗酸菌症

新規抗結核薬の開発の現状

Current status in the development of new anti-TB drugs.

土井教生

Pharma Medica Vol.30 No.6, 37-41, 2012

Ⅰ.世界の結核とM(X)DR-TB
 世界の新規結核患者は880万人/年,毎年約50万人の新規多剤耐性結核症(Multi-drug resistant tuberculosis;MDR-TB)患者が発生し[約10%が超多剤耐性結核症(Extensively-drug resistant tuberculosis;XDR-TB)],14万人/年の患者がMDR-TBで死亡している。
 高度蔓延諸国におけるM(X)DR-TBの発生要因は,先進諸国の初回治療失敗例によるM(X)DR-TBと異なり,抗結核薬の不安定な供給体制の下,安価で治療効果の低い二次薬の多用により拡大させた,前世紀の結核対策失敗の時代の「負の遺産」である。

KEY WORDS
●抗結核薬 ●レジメン開発 ●Stop TB Partnership ●TB-Alliance

Ⅱ.新薬開発の目的

①治療期間の大幅短縮
②治療完了率の向上
③多剤耐性結核M(X)DR-TBの減少
④社会的総医療費における結核医療費の削減

Ⅲ.到達目標

①2020年:2種類以上の新規抗結核薬の同時導入による薬剤感受性結核(DS-TB)3~4ヵ月間化学療法およびM(X)DR-TBの6~9ヵ月間化学療法の確立

②2030年:新薬のみで構成された次世代化学療法レジメンによるDS-TB,M(X)DR-TB,結核・エイズ合併症に対する一律2ヵ月間の(超)短期化学療法の確立

Ⅳ.世界の動向:Stop TB Partnership/TB-Alliance

 2000年に2つの国際組織Stop TB PartnershipとTB-Alliance( Global Alliance for TB Drug Development;GATB)が設立され,新抗結核薬開発の推進力として機能している。
 Working Group on New TB Drugs(WGND)/Stop TB Partnershipの調査の結果,2011年10月現在,新薬探索の研究開発プロジェクト27,前臨床試験段階にある候補化合物7プロジェクト,臨床試験第Ⅰ相1プロジェクト,臨床試験第Ⅱ相8プロジェクト,臨床試験第Ⅲ相4プロジェクト,合計47の新抗結核薬開発プロジェクト(Global Drug Pipeline)が進行中である。

記事本文はM-Review会員のみお読みいただけます。

メールアドレス

パスワード

M-Review会員にご登録いただくと、会員限定コンテンツの閲覧やメールマガジンなど様々な情報サービスをご利用いただけます。

新規会員登録

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る