Ⅰ.世界の結核とM(X)DR-TB  世界の新規結核患者は880万人/年,毎年約50万人の新規多剤耐性結核症(Multi-drug resistant tuberculosis;MDR-TB)患者が発生し[約10%が超多剤耐性結核症(Extensively-drug resistant tuberculosis;XDR-TB)],14万人/年の患者がMDR-TBで死亡している。  高度蔓延諸国におけるM(X)DR-TBの発生要因は,先進諸国の初回治療失敗例によるM(X)DR-TBと異なり,抗結核薬の不安定な供給体制の下,安価で治療効果の低い二次薬の多用により拡大させた,前世紀の結核対策失敗の時代の「負の遺産」である。 KEY WORDS ●抗結核薬 ●レジメン開発 ●Stop TB Partnership ●TB-Alliance