はじめに
結核菌は基本的にヒトを固有宿主としてヒト-ヒト感染を起こす伝染病である。したがって,集団中での結核菌の感染動態を解析することは,適正な感染制御対策のために有効である。近年抗酸菌に関して適切な菌株識別能力を有する分子生物学的手法が開発され,一般化あるいは標準化されている。これによって従来の古典的な接触者サーベイではわからなかった感染経路の解明や,結核菌の系統と毒力の関係が示唆されており,公衆衛生対策上のツールとしての有用性が期待されている。ここでは,主に結核菌の分子疫学的解析手法の意味や応用について概説する。
KEY WORDS
●結核菌 ●感染経路 ●系統解析
全文記事
結核と非結核性抗酸菌症
抗酸菌の分子疫学
Molecular epidemiology of mycobacteria.
掲載誌
Pharma Medica
Vol.30 No.6 9-13,
2012
著者名
御手洗聡
/
村瀬良朗
記事体裁
特集
/
全文記事
疾患領域
呼吸器
/
感染症
診療科目
一般内科
/
呼吸器内科
/
老年科
/
小児科
媒体
Pharma Medica
Key Words
結核菌
/
感染経路
/
系統解析
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。