Ⅰ.抗血小板薬とは
血液中には直径2~5μmの血小板細胞が多数存在する1)。血管壁が損傷して血管内皮下の血栓性マトリックスが血流に曝露されると,血小板が即座に集積して止血に寄与する2)。血小板の直径は2~5μmに過ぎないが,血液中には20万/μLと大量に存在するため,短期間に大量の血小板が集積すれば数十μmの血管を閉塞できる。脳のように虚血に敏感な臓器であれば,数十μmの血管の閉塞でも虚血症状を惹起する。心臓は虚血に対して比較的鈍感であるが,数十μmの血管閉塞により胸痛,血液中のトロポニン濃度の上昇などが起こる。そのような症例の一部は不安定狭心症,非Q波性心筋梗塞などの急性冠症候群として認識される。さらに,微小血管が多く閉塞されて,直径数mmの冠動脈枝の血流が緩徐になればフィブリン形成が促進して,Q波性心筋梗塞の発症につながる場合もある3)。
KEY WORDS
●血小板 ●抗血小板薬 ●アスピリン
全文記事
血小板をめぐる最近の話題
(臨床編)抗血小板薬;最近の動向
Current status of antiplatelet agents.
掲載誌
Pharma Medica
Vol.30 No.5 33-35,
2012
著者名
後藤 信哉
記事体裁
特集
/
全文記事
疾患領域
循環器
/
血液
診療科目
循環器内科
/
血液内科
媒体
Pharma Medica
Key Words
血小板
/
抗血小板薬
/
アスピリン
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。