はじめに  動脈硬化を基盤とした心筋梗塞や脳梗塞などの血栓症は,日本および世界における死因の約3割を占めている。これらの疾患は血小板を主体とした動脈血栓がその原因であり,血小板が病態形成の中心的な役割を果たしていることから,血小板機能の分子メカニズムを明らかにすることが,血栓症の予防および効果的な治療薬剤の開発のためにきわめて重要である。 KEY WORDS ●血小板機能異常症 ●血栓形成 ●分子機構 ●抗血小板療法