Ⅰ.二次障害とは
「二次障害」とは,もともとは,脳性麻痺において使用されていた用語である。その意味するところは2つあり,何らかの理由により,①本来ある障害が悪化した状態,あるいは,②新たに生じた別の障害,のどちらかを指して使われていた。①の例としては,麻痺により関節が固くなり(関節拘縮),運動がさらに障害された状態が代表的なものである。②の例としては,脳性麻痺により胸郭変形が生じ,そのために呼吸障害という本来の麻痺とは違う障害が生じたという身体面の問題と,不安や抑うつ状態などの精神面の問題の2つがあげられる。これに対して,発達障害の領域で使われる「二次障害」という用語は,発達障害と関連した心理的ストレス状況を背景として,情緒面・行動面・精神面の問題が生じている状態を意味している。
KEY WORDS
●発達障害 ●二次障害 ●合併症 ●問題行動
全文記事
発達障害の診断と治療・支援をめぐって
発達障害の二次障害をどのように捉えるか;その予防と治療をめぐって
Psychological and behavioral complications of developmental disorders;treatment and prevention.
掲載誌
Pharma Medica
Vol.30 No.4 21-24,
2012
著者名
宮本信也
記事体裁
特集
/
全文記事
疾患領域
精神疾患
診療科目
小児科
/
精神科
媒体
Pharma Medica
Key Words
発達障害
/
二次障害
/
合併症
/
問題行動
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。