Ⅰ.広汎性発達障害の診断  広汎性発達障害(pervasive developmental disorders;PDD)は,自閉性障害(小児自閉症)を中核とし,アスペルガー障害(症候群)などを含む障害群概念である。米国精神医学会(American Psychiatric Association;APA)の定める精神疾患の診断・統計マニュアルの最新版(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders,4th edition, Text Revision;DSM-Ⅳ-TR)1)によれば,幼児期から持続する対人交流の異常,コミュニケーションの障害,行動,興味,活動の限局した常同的で反復的なパターンによって特徴づけられ,そのために日常生活に支障をきたす状態とされている。 KEY WORDS ●広汎性発達障害(PDD) ●自閉症 ●診断 ●評価