はじめに
 まず,うつ病の「再発」について議論するにあたり,「再発(Recurrence)」と「再燃(Relapse)」との区別については言及すべきであろう。当時うつ病研究を中心に行っていた研究者らが提唱した概念1)によれば,Recurrenceとは症状がほぼ消失した状態,すなわち「寛解(Remission)」が持続し,「回復(Recovery)」に至ったにもかかわらず,新たなうつ病のエピソードが出現することを指す。それに対して「Relapse」とは,「寛解」の状態が長期に持続せず,再びうつ状態が認められる状態となることと定義された。以後,この概念は一定のコンセンサスを得たものとなっているが,しかし一般にはそのような概念は混乱を招きやすく,また継続治療や維持治療の期間については恣意的な面も否めない。そのため,本稿では狭義の「再発」と「再燃」を合わせた広義の再発,すなわちいったん症状が改善した後に再び症状が出現する状態として扱っていきたい。
 
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                うつ病をめぐる最近の話題
              
 うつ病の再発予防にはどんな対策を行えばよいのか
                  掲載誌
                
 
                  Pharma Medica
                  Vol.30 No.3 35-38,
                  
                    2012
                  
 
                    著者名
                  
  
                          菊地 俊暁
                        / 
                          渡邊 衡一郎
                        
 
                    記事体裁
                  
  
                          特集
                        / 
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                    疾患領域
                  
  
                          精神疾患
                        
                    診療科目
                  
  
                          一般内科
                        / 
                          老年科
                        / 
                          心療内科
                        / 
                          精神科
                        
 
                    媒体
                  
 
                      Pharma Medica
                    
 
                    Key Words
                  
  
                          再発
                        / 
                          再燃
                        / 
                          症状モニタリング
                        / 
                          治療継続
                        
          ※記事の内容は雑誌掲載時のものです。