はじめに  2008年10月,米国食品医薬品局(Food and Drug Adninistration;FDA)は,1種類の抗うつ薬に反応しない治療抵抗性うつ病を対象とする条件付きで,NeuroStar TMS systemを認可した。うつ病の治療装置としては,はじめての承認であり,薬物療法や認知行動療法,電気痙攣療法に加えて,あらたな抗うつ療法のオプションが増えることになる。経頭蓋磁気刺激(transcranial magnetic stimulation;TMS)は,米国精神医学会やカナダ精神医学会のガイドラインでも,治療抵抗性うつ病の治療オプションとして提示されている。わが国でも,2011年9月にNeuroStar TMS systemの早期導入に関する要望書が厚生労働省に提出され,うつ病を対象とした臨床研究が開始される予定である。