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虚血性脳卒中診療の現在;急性期診療からリハビリテーションまで

脳梗塞急性期の抗血小板療法の考え方

伊藤康男荒木信夫

Pharma Medica Vol.30 No.2, 13-16, 2012

はじめに
 2005年に遺伝子組み換え組織プラスミノゲンアクチベーター(rt-PA,アルテプラーゼ)による発症3時間以内の血栓溶解療法が認可されて以降,脳梗塞急性期治療の適応が広がった。しかし,rt-PAの施行率は脳梗塞全体の2.5%,発症3時間以内の脳梗塞では9.3%1)と依然,適応症例は限られているのが現状である。一方,脳梗塞急性期治療のうち抗血小板療法はアテローム血栓性脳梗塞や非心原性一過性脳虚血発作(transient ischemic attacks;TIA)に対して第1選択であり,今回,脳梗塞急性期の抗血小板療法の考え方について,今までに行われた大規模臨床試験の結果を踏まえて概説したい。

KEY WORDS
●脳梗塞 ●急性期 ●抗血小板療法 ●脳卒中治療ガイドライン

Ⅰ.脳卒中治療ガイドライン2009 2)における急性期抗血小板療法

 脳卒中治療ガイドライン2009 2)では,オザグレルナトリウム160mg/日の点滴投与は,急性期(発症5日以内)の脳血栓症(心原性脳塞栓症を除く脳梗塞)患者の治療法としてグレードB,アスピリン160~300mg/日の経口投与は,発症早期(48時間以内)の脳梗塞患者の治療法としてグレードAで推奨されている。このように現在,脳梗塞急性期に対して有効性が明らかにされている抗血小板薬は,アスピリンとオザグレルナトリウムである。

Ⅱ.アスピリン

 アスピリンは血小板内のアラキドン酸カスケードにおけるシクロオキシゲナーゼ(COX)を不可逆的に阻害して,強力な血小板凝集抑制作用を有するトロンボキサンA2(TXA2)の生成を阻害する(図1)3)。

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