はじめに  2005年に遺伝子組み換え組織プラスミノゲンアクチベーター(rt-PA,アルテプラーゼ)による発症3時間以内の血栓溶解療法が認可されて以降,脳梗塞急性期治療の適応が広がった。しかし,rt-PAの施行率は脳梗塞全体の2.5%,発症3時間以内の脳梗塞では9.3%1)と依然,適応症例は限られているのが現状である。一方,脳梗塞急性期治療のうち抗血小板療法はアテローム血栓性脳梗塞や非心原性一過性脳虚血発作(transient ischemic attacks;TIA)に対して第1選択であり,今回,脳梗塞急性期の抗血小板療法の考え方について,今までに行われた大規模臨床試験の結果を踏まえて概説したい。