はじめに
肥満は2型糖尿病やさらに動脈硬化性疾患の発症をはじめ,種々の病変にかかわることから,生活習慣病の概念のなかでも中心的な位置を占める1)-3)。これらは主として成人期に発症するわけだが,小児期においても肥満は大いに注目されるようになった。これは小児肥満の世界的な増加や早期からの合併症の出現もさることながら,成人の肥満症へとつながっていくとのエビデンスが確認されるようになったことも重要であろう。しかしながら小児の肥満の長期的な予後や経過は,観察期間が長くなるため十分とはいえない。介入や予防の面からは生活習慣確立のスタートラインであり,また体重増加の途上であることも多く,早期の対応の視点からも注目すべき時期といえよう。わが国においても小児肥満の増加傾向が続き,厚生労働省により小児期のメタボリックシンドロームについての診断基準や,介入に関する研究事業が実施され成果をあげた。しかしながら,いまだ小児肥満についてはより多くのエビデンスが必要とされる。本稿では日本人小児の肥満について,成人肥満との関連も含めわれわれの検討1)-9)も交えながら概説する。
全文記事
肥満をめぐる最近の話題
小児肥満の診断と治療による成人肥満および合併症への影響について
掲載誌
Pharma Medica
Vol.30 No.1 41-45,
2012
著者名
大関武彦
記事体裁
特集
/
全文記事
疾患領域
循環器
/
高血圧
/
代謝・内分泌
/
糖尿病
/
小児疾患
/
栄養管理
診療科目
一般内科
/
循環器内科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
/
小児科
媒体
Pharma Medica
Key Words
小児肥満
/
アディポシティリバウンド
/
動脈硬化
/
メタボリックシンドローム
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。