Ⅰ.「抗菌薬適正使用」はなぜ混乱するか
抗菌薬適正使用の推進にはどの医療機関も腐心しておられるものと思う。しかし現場ではどうすればいいかとの声も多く聞かれ,医療者と院内感染対策担当者の間に対立を生むことさえある。これらは,「抗菌薬適正使用」の捉え方が混乱しているところに原因がある。「抗菌薬適正使用」に対する医療者共通の認識がないために,各自(看護師,薬剤師,検査技師,インフェクションコントロールドクター,一般医師など)の置かれた立場からさまざまな捉え方をしてしまい,見解や各自の立場の相違に伴う意見の対立が生じてしまうのだ。たとえば多くの一般医師は「抗菌薬適正使用」というと「抗菌薬の使用前届出制度や使用制限」を連想する。しかも多くの場合,医師はこのような対策に対していい印象をもっていない。裁量権の侵害と受け止め,敵対的な態度をとることが多い。これでは,なかなか思うような結果も出てこない。
全文記事
感染防止対策の最前線
抗菌薬適正使用への道
掲載誌
Pharma Medica
Vol.29 No.12 55-58,
2011
著者名
大曲 貴夫
記事体裁
特集
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全文記事
疾患領域
感染症
診療科目
一般内科
媒体
Pharma Medica
Key Words
抗菌薬適性使用
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フィードバック
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抗菌薬使用前承諾制度
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Antibiogram
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。