はじめに  脳死移植が進まない日本では,末期肝疾患の救命として,これまでに約6,000例の生体肝移植が行われ,移植外科医の多くの努力により,良好な成績が収められてきた1)。2004年には,生体肝移植適応疾患が拡大し,ほとんどの末期肝疾患が保険適用になったことに伴い,内科医が患者に肝移植をオプション提示する機会も増加し,肝臓移植は身近な治療となりつつある。