はじめに  1997年の臓器移植法制定以来,提供時に本人の事前意思が必要という厳しい制度のなか,わが国の臓器提供は,13年間でわずか86例というきわめて少数であった。2009年に改正臓器移植法(以下,改正法)が可決成立し,①親族優先提供が可能となり,②15歳未満の提供が可能となった。③また,本人の承諾がない場合でも,家族の書面承諾による提供が可能となった。まさに,欧米並みの制度が可能となったわけである。