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肝炎治療;最近の進歩

HCV感染者に対する肝移植

上田佳秀上本伸二

Pharma Medica Vol.29 No.10, 27-31, 2011

はじめに
 わが国における成人の肝移植症例の原疾患のなかで,C型肝炎ウイルス(hepatitis C virus;HCV)に起因する肝硬変・肝細胞癌が最多である。日本肝移植研究会の肝移植症例登録によると,18歳以上の初回生体肝移植症例の原疾患のうち,HCVによる肝硬変・肝細胞癌が全体の31%を占めている(図1)1)。

KEY WORDS
●肝移植 ●C型肝炎 ●免疫抑制薬 ●拒絶反応

はじめに(続き)

 しかしながら,HCV陽性レシピエントが肝移植を受けた場合には,移植後にC型肝炎が再発するため,肝移植後の長期生存率は他の疾患と比較して低い(表)1)。肝移植後C型肝炎は,HCVの移植肝への感染成立から,急性肝炎,慢性肝炎,線維化の増悪と段階を経て進行し,これに免疫抑制薬や肝再生,拒絶反応などの要素が修飾を加えるという特殊な病態である。本項では,肝移植後C型肝炎再発の特徴とその対策,ならびにその問題点について概説する。

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