全文記事
加齢黄斑変性up to date
新生血管に対する抗VEGF療法
掲載誌
Pharma Medica
Vol.28 No.12 45-48,
2010
著者名
小沢 洋子
記事体裁
特集
/
全文記事
疾患領域
眼疾患
/
アンチエイジング
診療科目
一般内科
/
眼科
/
老年科
媒体
Pharma Medica
「はじめに」加齢黄斑変性(age-related macular degeneration;AMD)には, 脈絡膜における新生血管を伴う滲出型と血管萎縮を伴う萎縮型があり, 現在, 積極的治療法があるのは, 滲出型だけである. 光線力学的療法(photodynamic therapy;PDT)に続き, 新生血管の退縮や血管からの滲出性変化の抑制を目的とした抗血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor;VEGF)療法がわが国ではじめて認可されたのは, 2008年のことであった. AMD治療においては, 抗VEGF薬は硝子体内注射により眼球内に局所投与される. 認可から時間が経つにつれ, さまざまな問題点が明らかになりつつあるのは事実だが, 抗VEGF療法がAMD治療を大きく前進させたのは確かである. 「I. 抗VEGF療法の効果のメカニズム」血管内皮の強力な増殖促進因子にVEGFがある1). VEGFは生理的には血管内皮細胞のターンオーバーに働き, 正常血管の維持に必要であるが, 病的働きもよく知られる.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。