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                小児の精神疾患;ADHDを中心に
              
 ADHDの遺伝学
                  掲載誌
                
 
                  Pharma Medica
                  Vol.28 No.11 13-16,
                  
                    2010
                  
 
                    著者名
                  
  
                          山形崇倫
                        
 
                    記事体裁
                  
  
                          特集
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                    疾患領域
                  
  
                          精神疾患
                        / 
                          神経疾患
                        / 
                          小児疾患
                        
                    診療科目
                  
  
                          神経内科
                        / 
                          小児科
                        / 
                          心療内科
                        / 
                          精神科
                        
 
                    媒体
                  
 
                      Pharma Medica
                    
 「はじめに」注意欠陥・多動性障害(ADHD)は発症頻度が3~10%と高い疾患である. 男女比は4~6:1と男児に多く, 同胞や親が同様な症状を示すことも多い. 二卵性双胎の一致率32%に対し, 一卵性双胎での一致率は79%と高い1). 遺伝的要因が強いが, 症状は重度から軽度まで連続形質であり, 環境因の関与もあり2), 多因子遺伝の可能性が推察される. 病態生理からドパミン, カテコールアミンの関与が考えられ, それらの受容体やトランスポーターの多型との関連が解析され, いくつかの遺伝子との連鎖が報告されている. 「I. ADHDと神経伝達物質」ADHDの病態として, 実行機能の障害と報酬系の障害が考えられている3). 実行機能系には, 前頭皮質, 尾状核, 基底核, 視床, 小脳などが関与し3), 主にドパミンとノルアドレナリンが作用する. 報酬系には, 側坐核, 腹側線状体, 扁桃体が中心的な役割を有し, ドパミンが作用の中心である.
          ※記事の内容は雑誌掲載時のものです。