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消化器画像診断;最近の進歩
肝細胞癌に対するペルフルブタン造影エコー法
掲載誌
Pharma Medica
Vol.28 No.10 13-17,
2010
著者名
南康範
/
工藤 正俊
記事体裁
特集
/
全文記事
疾患領域
消化器
/
癌
診療科目
消化器内科
/
放射線科
/
消化器外科
媒体
Pharma Medica
「はじめに」超音波診断装置はデジタル化などの基本性能の向上やドプラ技術の発達で血流信号の検出感度が大幅に向上し, 超音波断層法における診断精度は飛躍的に向上した. 肝臓領域においても超音波装置の活用は, (1)腫瘤性病変の存在診断, (2)画像による鑑別診断, (3)生検や穿刺治療時の誘導, などスクリーニングから精査検査・治療まで多岐にわたっている. 近年, 超音波造影剤の登場と時間・空間分解能に優れるハーモニック法の応用から造影エコーが可能となり, カラードプラ法・パワードプラ法では描出困難な細かい腫瘍内血流を観察できるようになった1)-5). 造影エコーの特徴として, 他のmodalityと比べて高い時間・空間分解能と低侵襲性があげられ, 質的診断・悪性度評価・進展度診断・治療効果判定・再発診断の有用性6)が認められている. 本稿では肝細胞癌における造影エコーについて概説する. 「I. 造影エコーの原理」造影エコーとは, 早い時相ではリアルタイムな血行動態と遅い時相では肝実質染影を描出する超音波検査である.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。