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2型糖尿病診療の新展開
特集にあたって
掲載誌
Pharma Medica
Vol.28 No.5 2805-7,
2010
著者名
河盛隆造
記事体裁
特集
/
全文記事
疾患領域
糖尿病
診療科目
一般内科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
/
老年科
媒体
Pharma Medica
2型糖尿病患者においては, 「内因性インスリン分泌をいつまでも長持ちさせる」ことが安定した良好な血糖コントロールを維持するうえで, かつ肝臓へインスリンを流入させるというtargetingを満たすうえで必須であり, そのため必要と判断した際には的確なタイミングで薬物療法を開始し, “2型糖尿病でなかった状況に戻す”ことも目指すべきであろう. 筆者は2型糖尿病に対する経口薬を以下に大別している. (1)内因性分泌インスリンの働きを高める薬, (2)摂取糖質の分解遅延薬, (3)インスリン分泌パターン改善薬, (4)インスリン分泌刺激薬(スルホニル尿素薬), (5)腸管ホルモン, GLP-1の血中濃度を保ち, GLP-1のインスリン分泌促進作用を利用するDPP-4阻害薬, である. そして常にmagic drugであるインスリン製剤がある. 2型糖尿病の治療方針は, 内因性インスリン分泌の回復を計り, それがたとえ十分量でなくてもインスリン感受性を亢進させて, 良好な血糖応答状況に維持しうるようにすること, にあり, そのために, 1剤で目標とする血糖応答状況に到達しない際には, 作用の異なる他の1剤を追加し, その効果が1+1=3, あるいは3剤で1+1+1=6, となるようにベストパートナーを選択すべきであろう.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。