全文記事
関節リウマチ治療の最前線;現状と展望
生物学的製剤の副作用と使用上の注意点
掲載誌
Pharma Medica
Vol.28 No.3 39-42,
2010
著者名
野々村美紀
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針谷正祥
記事体裁
特集
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全文記事
疾患領域
アレルギー・免疫
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膠原病・リウマチ性疾患疫
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骨・関節
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感染症
診療科目
一般内科
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呼吸器内科
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アレルギー科
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整形外科
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老年科
媒体
Pharma Medica
「はじめに」関節リウマチ(RA)は, 多関節炎を特徴とする全身性炎症性疾患である. 近年RAに対する新規分子標的薬の開発が急速に進んだが, 特に分子生物学的手法を用いて作られる薬剤を生物学的製剤と呼ぶ. 欧米においては1990年代後半, わが国では2003年にRAに対する生物学的製剤(TNF阻害薬であるインフリキシマブ)がはじめて承認された. 2009年12月現在, わが国においては3種類のTNF阻害薬(インフリキシマブ:IFX, エタネルセプト:ETN, アダリムマブ:ADA)とIL-6阻害薬(トシリズマブ:TCZ)が承認され, すでに5万人以上のRA患者が治療を受けている1). いずれも従来の抗リウマチ薬と比較して有意にRAの疾患活動性を低下させ, 関節破壊の進行を抑制する. 生物学的製剤はTNFやIL-6などの作用を阻害して抗炎症作用を発揮するのみならず, 関節破壊の抑制や身体機能の改善においても優れた治療成績をあげているが, 強力な免疫抑制による感染症の合併や薬物アレルギーによる投与時反応など, 使用時に注意すべき点も多い.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。