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消化器疾患に対する内視鏡診療の進歩
内視鏡的治療 胃・食道静脈瘤に対する内視鏡的治療法
掲載誌
Pharma Medica
Vol.27 No.3 57-61,
2009
著者名
小原勝敏
記事体裁
特集
/
全文記事
疾患領域
消化器
診療科目
消化器内科
/
手術・救急
/
消化器外科
媒体
Pharma Medica
「はじめに」 胃・食道静脈瘤出血は門脈圧亢進症の重篤な合併症であり, 未治療での出血死亡率は約50%と高率である. 基礎疾患として肝硬変(肝癌を含む)が約90%を占めており, 出血により容易に肝不全を誘発する. したがって, 内視鏡的冶療法による緊急止血や, 各種冶療法による出血防止が門脈圧亢進症患者の管理においてきわめて重要である. 「I. 胃・食道静脈瘤治療の現況」 静脈瘤治療には, 薬物療法, バルーンタンポナーデ法, 内視鏡的冶療法, Interventional radiology(IVR)を応用した治療法, 外科手術がある. 緊急出血例に対する第1選択の冶療法は内視鏡的冶療法である. 静脈瘤の冶療指針を示したのが, 「食道・胃静脈瘤内視鏡治療ガイドライン」1)であり, このガイトラインに基づいた治療手技がわが国での基本的治療法である. 「II. 病態からみた治療方針(図1)」 胃・食道静脈瘤の適切な治療方針を決定するには, 患者の病態と門脈血行動態を把握し, それぞれに応じた治療法を選択することが重要である.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。