全文記事
血栓症治療の最新動向
特色ある抗血小板薬
掲載誌
Pharma Medica
Vol.27 No.1 35-39,
2009
著者名
西川政勝
/
田丸智己
/
西川健一郎
記事体裁
特集
/
全文記事
疾患領域
循環器
/
脳血管障害
診療科目
一般内科
/
循環器内科
/
心臓血管外科
/
脳神経外科
/
神経内科
/
血液内科
/
老年科
媒体
Pharma Medica
「はじめに」抗血小板薬は, その作用機序により血小板活性化シグナルを阻害する薬物と抑制するシグナルを増強する薬物に大別される. おのおのの薬物の特徴について解説する. 表に各種抗血小板薬の特徴を示す1). 「I. 血小板活性化シグナルを阻害する薬物」「1. アゴニストの阻害抗トロンビン薬」アルガトロバンは, トロンビンを直接阻害することで血小板凝集抑制作用を示す. 適応は(1)脳血栓症急性期(ラクネを除く), (2)慢性動脈閉塞症(PAD), (3)先天性アンチトロンビンIII欠乏患者, アンチトロンビンIII低下を伴う患者の血液透析時, (4)ヘパリン惹起性血小板減少症(HIT)2型における血栓症の発症抑制である. HIT2型に対する適応は医師主導治験を経て最近日本でも認可された. 禁忌は出血, 出血傾向(手術など), 血液凝固障害, 脳塞栓, 重篤な意識障害を伴う大梗塞である. American college of chest physiciansにおけるHIT2型の冶療ガイドラインでは, ダナパロイド(Grade 1B), レピルジン(Grade 1C, 日本未承認)とともにGrade 1Cにあげられている2).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。