全文記事
血栓症治療の最新動向
チエノピリジン系薬剤
掲載誌
Pharma Medica
Vol.27 No.1 29-33,
2009
著者名
陣内俊和
/
堀内久徳
記事体裁
特集
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全文記事
疾患領域
循環器
診療科目
一般内科
/
循環器内科
/
心臓血管外科
/
血液内科
/
老年科
媒体
Pharma Medica
「はじめに」アテローム血栓症の発症においては血小板が重要な役割を演じており, 抗血小板療法は動脈硬化性疾患の主たる冶療法である. チエノピリジン系薬剤はアスピリンとともに世界的に広く用いられている抗血小板薬でありその有用性を示すエビデンスは数多く存在する. 本稿では血栓症治療の臨床において広く使用されているチエノピリジン系薬剤につき概説する. 「I. 概要」チエノピリジン系の抗血小板薬として, わが国では1981年の発売開始以来チクロピジンが使用されてきたが, 肝障害などの安全性の問題が指摘されていた. このチクロピジンと同等の心血管イベント抑制効果を有し, 安全性評価において優越性が確認されたクロピドグレルが2006年に承認され, 現在ではこの2剤が使用可能となっている. 世界でも臨床的に用いられているのはこの2剤のみである. 活性型血小板では濃染顆粒に貯えられていたADPが開口放出される.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。