全文記事
血栓症治療の最新動向
静脈血栓塞栓症の治療戦略
掲載誌
Pharma Medica
Vol.27 No.1 13-16,
2009
著者名
小林 隆夫
記事体裁
特集
/
全文記事
疾患領域
循環器
/
呼吸器
診療科目
一般内科
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循環器内科
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心臓血管外科
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呼吸器内科
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血液内科
/
手術・救急
媒体
Pharma Medica
「はじめに」肺塞栓症の多くは深部静脈血栓症(deep vein thrombosis;DVT)からの血栓遊離により肺動脈を閉塞するため肺血栓塞栓症(pulmonary thromboembolism;PTE)をさす場合が多い. これらは合併することも多いので総称して静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism;VTE)と呼ばれる1). PTEは, 特に手術後や分娩後, あるいは急性内科疾患での入院中などに多く発症し不幸な転帰をとる. 近年, わが国においても生活習慣の欧米化や高齢化社会の到来に伴い, PTEは増加の一途を辿っている. リスク因子としては, 65歳以上, 手術後, 肥満, 静脈血栓症合併/既往, 長期臥床, 悪性腫瘍, 外傷・骨折後など, 診療科別では, 整形外科が最も多く, 次いで一般外科, 産婦人科の順である. また, PTE発症の誘因としては, 排便・排尿, ベッド上体位変換, 初回歩行などが指摘されている.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。