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眼と内科疾患

動脈硬化と眼

鈴木三保子瓶井資弘

Pharma Medica Vol.26 No.9, 31-34, 2008

「はじめに」眼は, 人体で唯一血管を直接観察できる場所である. 眼底の血管系は内頸動脈に発する眼動脈を介して, 網膜中心動脈および脈絡膜血管系に分かれる. 眼科領域において, 動脈硬化性疾患が大きな問題となるのは, 網膜血管障害である. 代表的な疾患としては, 網膜動静脈閉塞症があげられる. また疫学的に関与するものとしては, 近年増加している加齢黄斑変性がある. 本稿では, 日常臨床で患者を治療する機会の多い網膜静脈閉塞症を中心に紹介し, 加齢黄斑変性については, 筆者らの最近の知見を交えて解説する. 「I. 網膜静脈閉塞症」網膜静脈閉塞症は, 眼底出血の代表ともいえる疾患である. 閉塞部位により, 網膜中心静脈閉塞症と網膜静脈分枝閉塞症に分類されるが, 両者の臨床所見や経過には相違点も多く, この2つの疾患は, 基本的に異なった病態であると考えられる. 「1. 網膜中心静脈閉塞症(図1)」網膜中心静脈閉塞症が起こると, 網膜静脈は拡張・蛇行し, 火炎状・斑状の眼底出血が眼底全体に生じる.

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