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炎症性腸疾患の診断と治療
治療 治療指針;5-ASA,ステロイドを中心に
井上詠
/ 岩男泰
/ 長沼誠
/ 久松理一
/ 日比紀文
Pharma Medica Vol.26 No.3, 25-28, 2008
「はじめに」炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease;IBD)は潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis;UC)とCrohn病(Crohn’s disease;CD)に代表されるが, いまだ原因不明の慢性難治性疾患であり, 根本的な原因治療法がないのが現状である. 病態や状況によっては外科的治療も必要となるが, 内科的治療の目標は, (1)急性期の臨床症状の緩和と緩解への導入, (2)腸管粘膜の炎症の沈静化と粘膜傷害の修復, (3)緩解導入後の再燃の抑制と緩解の長期維持などがあけられ, これにより長期にわたって患者のQOLを維持すること, および癌化の抑制であると考えられる. 以前は欧米に比して非常に患者数が少なく稀少疾患であるために, 疾病疫学の解析, 病態の解明, 診断法の整備および治療法の確立を目的として1973年に旧厚生省により調査研究班が発足し, その後特定疾患に指定された.
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