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エビデンスに基づいた漢方医療;各種疾患に対しての処方(2)

術前自己血貯血における十全大補湯の効果

青江尚志

Pharma Medica Vol.25 No.10, 11-14, 2007

はじめに 最近は多くの施設でインフォームド・コンセントに関する説明文・同意書が煩雑となり, 血漿製剤や同種血輸血を施行する場合でも施設によっては, 自己血輸血の説明負担を負う施設もあると思われる. 今まで前置胎盤などの産科症例や子宮筋腫核出術などの婦人科良性疾患症例はもとより, 悪性腫瘍症例でも術前に自己血貯血を説明すると, 多くの患者が自己血貯血を希望する. しかし産婦人科の対象は, 貧血に関する指標の正常値が男性よりも低い女性であり, また性器出血などにより貯血前に貧血を呈している症例にも遭遇する. 特に大手術の場合は術前の全身状態は重要であり, 貯血により全身状態が損なわれてはならない. 今回, 悪性腫瘍症例の術前自己血貯血を施行するにあたり, 免疫賦活作用と造血能の両方を併せもつ十全大補湯をエリスロポエチン製剤(以下, EPO)に併用して良好な結果を得ることができたので報告する.

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