<< 一覧に戻る

肝癌up to date

診断 肝癌高リスク群に対するスクリーニング法

池田健次

Pharma Medica Vol.25 No.6, 13-17, 2007

I. 肝癌発癌の背景病変と肝癌発癌率 肝細胞癌は他臓器の癌に比して, 多くの場合原因疾患が推定できる. このうち, B型肝炎ウイルス(HBV)やアフラトキシンとの関連は古くから知られていたが, 1988年にC型肝炎ウイルス(HCV)の同定が可能となって以来, わが国の肝癌の大部分が「なんらかのリスク」を有している患者に発生することが明らかとなった. 1. HBVと肝癌発癌 HBVが肝癌発癌と強く関連していることは疫学的・臨床的に疑いない事実であるが, その発癌メカニズムは十分に明らかにされていない. HBVそのものの宿主への組み込みを介する直接の発癌作用と, 長期にわたる慢性の肝炎状態や肝硬変という病態を基盤とする「間接的な」発癌作用の両者の存在が推定されている. 慢性肝炎から肝硬変に至る慢性肝疾患をきたしたHBV感染では, 病期が進行するほど肝癌発生のリスクが高まり, アジア諸国では自然経過での発癌率は無症候性キャリアからは年率0.1%, 慢性肝炎からは0.5~1%, 肝硬変からは2.5~10%の発癌率があると推定されている. わが国でのHBV関連肝硬変からの年率発癌率は2.5~3%で, 欧米より報告されている代償期肝硬変からの年率発癌率1.5~2.0%よりやや高い. 当院で1974年から1997年までの間に腹腔鏡肝生検で診断されたB型慢性肝炎610例からの発癌率は5年2.1%, 10年4.9%, 15年18.8%であった(図1)1). 同様にB型肝硬変330例からの発癌率は, 5年19.1%, 10年28.6%, 15年35.8%, 20年35.8%で, 年率3%の発癌がみられた2)(図2).

記事本文はM-Review会員のみお読みいただけます。

メールアドレス

パスワード

M-Review会員にご登録いただくと、会員限定コンテンツの閲覧やメールマガジンなど様々な情報サービスをご利用いただけます。

新規会員登録

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る