<< 一覧に戻る

アルツハイマー病診断・治療の新しい展開

治療薬開発 Aβワクチン療法

原英夫

Pharma Medica Vol.24 No.7, 63-66, 2006

「はじめに」アルツハイマー病の病理学的所見として, 神経細胞の萎縮脱落, アミロイドβ(amyloid-β ; Aβ)蛋白の凝集沈着による老人斑の形成, 異常タウ蛋白からなる神経原線維変化の3つが大きな特徴である. Aβ蛋白は, 21番染色体上にあるアミロイド前駆体蛋白(APP)から, βおよびγセクレターゼにより切断されてできた40-42(43)個のアミノ酸からなる蛋白である. 老人斑は, 細胞外に蓄積された集合体で, Aβ蛋白(Aβ40, 42)を核に周囲を取り囲むようにミクログリア, 線維型アストログリア, 異栄養神経突起で構成されている. アルツハイマー病の病態仮説として, 現在ではアミロイドカスケード仮説が有力である. すなわち細胞外に分泌されたAβペプチドが不溶化し凝集蓄積することが, アルツハイマー病の病態の本質であるという仮説である1). I. アルツハイマー病に対するAβワクチン療法 本来ワクチンの意義は, 生体にとって外来異物であるウイルスや細菌などに対し, 有毒株の死菌または弱毒株を接種し, 抗体産生を誘導する免疫学的予防を意味するが, アルツハイマー病のAβワクチン療法は, アミロイドカスケード仮説を基盤とし, 脳のAβ蛋白を免疫学的手法(主として抗体)により除去しようとする治療法であり, 新しい治療ストラテジーの1つとしてアルツハイマー病のみならず他の神経変性疾患へも応用されようとしており, 注目されている.

記事本文はM-Review会員のみお読みいただけます。

メールアドレス

パスワード

M-Review会員にご登録いただくと、会員限定コンテンツの閲覧やメールマガジンなど様々な情報サービスをご利用いただけます。

新規会員登録

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る