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アルツハイマー病診断・治療の新しい展開
新しい診断法 最初期の認知障害
品川俊一郎
/ 足立浩祥
/ 池田学
Pharma Medica Vol.24 No.7, 35-38, 2006
「はじめに」アルツハイマー病(Alzheimer's disease ; AD)は初老期以降に発症し, 大脳皮質の神経細胞がびまん性に変性脱落してゆくことにより, 慢性進行性に認知症を呈する疾患である. 近年になり, コリンエステラーゼ阻害薬がADの治療薬として発売され, ADの進行抑制に有効であることが明らかとなったため1), その早期診断と早期治療の開始がこれまで以上に重要となった. ADは神経病理学的変化が長期間にわたって潜在的に進行した後に顕在発症する. 現在はADの診断においてDSM-IV2)やNINCDS-ADRDA3)といった信頼性妥当性の高い診断基準が用いられるが, これらの診断基準においては社会生活機能水準の低下が求められ, その時点が診断の臨床的な閾値となる. しかしそれより以前から病理学的な変化はもとより, 個別の認知機能障害も出現していると考えられる(図1). その観点から, 社会生活機能水準の低下が認められない時点でADを早期に診断する必要性が高まり, さまざまな技術が開発された. 本稿においてはそれらのうちでADの認知機能障害の診断法を概説する.
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