拡張末期の左室径,収縮時の左室壁振幅の減少,収縮末期径の増加,心囊液貯留が特徴的である1)。高血圧や弁膜症がない対称性左室肥大,心室中隔,左室後壁の低収縮および収縮期左室壁肥厚の減少,正常ないしは狭小化した左室腔,中隔/後壁比が<1.3,左房径の拡大,僧帽弁E-Fスロープの減少,保たれた左室駆出率(LVEF)>60%が典型的所見とされたが,トランスサイレチン型心アミロイドーシスでは非対称性心室中隔肥厚が認められることもある。また,LVEFは低下することが多い2)。
右室前壁自由壁の肥厚は他の原因による左室肥大にはみられないため,鑑別に有用である3)4)。シンプルなMモード心エコーは他の左室肥大患者からアミロイドーシスを鑑別することができる。