この度,「かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン(第2版)」が改訂され,「かかりつけ医・認知症サポート医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン(第3版)(以下,ガイドライン第3版)」と,内容のみならず名称も変更になった1)。本稿では,ガイドライン第3版を踏まえ,認知症に伴う不安・抑うつ,アパシー,睡眠障害に対する薬物的介入について概説する。なお,非薬物療法についても少し触れるが,治療的介入の原則は,非薬物療法をまず検討することであることはあらかじめ言及しておく。