アルツハイマー型認知症(Alzheimer's disease:AD)の脳では,アミロイドβ(amyloid β:Aβ)の神経線維網への沈着である老人斑と,リン酸化タウ(p-tau)の神経細胞内への沈着である神経原線維変化(neurofibrillary tangle:NFT)が重要な病理所見である。老人斑が主病変として出現する疾患はADだけであること,サルやクマ1)などの他の動物でも加齢現象として出現すること,高齢者では加齢に比例してその出現数が増えることなどから,老人斑は脳の老化過程に密接に関係していると考えられている。