Expert Lecture エキスパートに訊く筋ジストロフィー診療のポイント
Q1:エクソンスキッピング治療はどのような患者さんに適するのでしょうか?
掲載誌
MD Frontier
Vol.1 No.1 26-29,
2021
著者名
松村 剛
記事体裁
抄録
/
連載
疾患領域
小児疾患
/
神経疾患
診療科目
小児科
/
神経内科
媒体
MD Frontier
人間の遺伝情報は核の中にあるDNA(デオキシリボ核酸)と呼ばれる2重らせん構造に記録されています.DNAは長い糸のようなもので,これが折り畳まれて染色体ができています(図1).人間では22対44本の常染色体とX,Yと呼ばれる性染色体があります.ジストロフィン遺伝子はX染色体に存在するため,女性(XX)では2つのジストロフィン遺伝子がありますが,男性(XY)では1つのジストロフィン遺伝子しかありません(図2).
DNAにはグアニン(G),シトシン(C),アデニン(A),チミン(T)と呼ばれる4種類があり,連続する3塩基の組み合わせ(コドン)で一つのアミノ酸をコードします.遺伝情報はこのアミノ酸の配列を指示することによって目的とする蛋白質を作ることができます.遺伝子は,蛋白の設計図をコードするエクソンと呼ばれる部分が飛び飛びに存在し,その間にイントロンと呼ばれる領域が存在します.
遺伝子の情報から実際に蛋白質を作るときには,核の中でDNAからコピー(mRNA)が作られます.コピーされたmRNAはイントロン部分が切り取られ,エクソン部分のみが繋がることで蛋白質の設計図が完成します(成熟mRNA).成熟mRNAは細胞質に運ばれて遺伝情報に従ってアミノ酸が配列した蛋白質が作られます(図3A).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。