DICを理解するためのLecture
Part2 DICの治療戦略 ⑥産科疾患に合併したDICの治療戦略
掲載誌
Land-Mark in Thrombosis & Haemostasis
Vol.0 No.2 92-96,
2022
著者名
小林 隆夫
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
血液
診療科目
血液内科
媒体
Land-Mark in Thrombosis & Haemostasis
産科播種性血管内凝固(disseminated intravascular coagulation;DIC)の病態は,消費性凝固障害とそれに続く線溶亢進現象に起因する出血傾向,および臓器の循環障害に起因する全身の臓器障害である。産科DICの臨床的特徴は,①急性で突発的なことが多く定型的なDICが発生する,②基礎疾患とDIC発症との間に密接な関係がある,③急性腎不全などの臓器症状を合併することが多い,④検査成績を待たずにさまざまな処置を進めなければならない,などが挙げられる。周産期における出血は,わが国では現在でもなお妊産婦死亡原因の第1位を占める。したがって,産科DICに際しては不可逆的になる前に早期に診断し,早期に適切な治療をしなければならない。その治療には多くのスタッフが必要であり,緊急時の対応が可能な高次医療機関で対処すべきである¹⁻⁴⁾。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。