α 2アンチプラスミン(α 2 antiplasmin;α 2AP)はα 2プラスミンインヒビター(α 2 plasmin inhibitor;α 2PI)とも呼ばれる生体内のセリンプロテアーゼインヒビター(serin protease inhibitor;serpin,セルピン)の1つで,プラスミンと1:1の複合体を形成し不活化する1,2)。先天的な欠損症では出血傾向を呈し3),重要な線溶系の制御因子である。しかし認知度は高いものではなく,「忘れ去られたセルピン(the forgotten serpin)」1)とさえ呼ばれている。α 2APは播種性血管内凝固(disseminated intravascular coagulation;DIC)を含むさまざまな病態で後天的にも低下もしくは上昇し,出血症状や臓器障害の出現に関連している4)。本稿では線溶反応の基礎を概説し,さまざまな病態における α 2APの重要性について述べる。
DICを理解するためのLecture
Part1 DICと臨床検査 ④α₂アンチプラスミンの臨床的意義
掲載誌
Land-Mark in Thrombosis & Haemostasis
No.2 56-58,
2022
著者名
内場 光浩
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
血液
診療科目
血液内科
媒体
Land-Mark in Thrombosis & Haemostasis
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。