播種性血管内凝固(disseminated intravascular coagulation;DIC)の検査は血小板数やフィブリノゲン値,またTAT,FDP,D-ダイマーなど,凝固や線溶の分子マーカーを用い,複数の項目の変動で診断される。近年,患者血中の凝固および線溶機能を評価することが注目されている1)。手術室や救命救急センターなど,迅速に出血傾向の有無について検査するには,point of care-testing(POCT)装置が活用されている。なかでもROTEM®は全血中の凝固線溶機能を判断する2,3)。一方,患者血漿を用いた自動凝固分析装置により凝固線溶機能評価が可能になった4,5)。その方法は,DICの迅速な診断に役立ち,血液検査室で実施可能な活性化部分トロンボプラスチン時間(activated partial thromboplastin time;APTT)を用いた凝固波形解析(APTT-clot waveform analysis;APTT-CWA)とCWAを応用した凝固線溶波形解析(coagulation-fibrinolysis waveform analysis;CFWA)である。今回,これらについて概説したい。
DICを理解するためのLecture
Part1 DICと臨床検査 ③DIC病態評価のための新しい臨床検査
掲載誌
Land-Mark in Thrombosis & Haemostasis
No.2 52-55,
2022
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
血液
診療科目
血液内科
媒体
Land-Mark in Thrombosis & Haemostasis
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。