DICを理解するためのLecture
Part1 DICと臨床検査 ①凝固線溶検査のピットフォール
掲載誌
Land-Mark in Thrombosis & Haemostasis
Vol.0 No.2 44-48,
2022
著者名
松田 将門
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
血液
診療科目
血液内科
媒体
Land-Mark in Thrombosis & Haemostasis
ピットフォール(pitfall)とは何か,改めて手元の辞書を引くと(そして自分で訳すと),「ある活動や状況に潜み,うまくいかなかったり問題を引き起こしたりする可能性のある事柄」とある。それならば,凝固線溶検査のピットフォールとは,「検査のプロセスに潜む,“誤った”検査値を引き起こす可能性のある検査手順」と解釈できるのではないだろうか。“誤った”とは,患者の病態とは異なる,という意味である。臨床検査室は,患者の病態を反映した検査値を報告する責務がある。医師は,病態と検査値に乖離を認めた際,ピットフォールを疑い,検査室に問い合わせたり再検査を依頼することで検査値の信頼性を再確認することが重要である。医師や検査技師を含む医療者は,ピットフォールの原因と対策・対応を理解する必要がある。そこで本稿では臨床現場でしばしば遭遇するピットフォールのうち,播種性血管内凝固(disseminated intravascular coagulation;DIC)診療にかかわるものを取り上げ概説する。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。