近年,重症筋無力症(myasthenia gravis:MG)患者の症状改善レベルやhealth–related quality of life(QOL)が従来想像されていたよりも不良であることが明らかとなり1, 2),MGに対する治療が変わりつつある3, 4)。経口ステロイド重視の従来型治療から非経口の速効性治療を積極的に用いる治療戦略に変化している3, 4)。さらに現在,全身型MGに対する分子標的薬の開発も進んでいる。その先陣を切り,エクリズマブ(ソリリス®)が抗アセチルコリン受容体抗体(以下,AChR抗体と略す)陽性の難治性全身型MG(gMG)に対する臨床試験結果5, 6)をもとに保険承認(2017年12月)され,成果を挙げている。しかし,エクリズマブの効果は症例により異なる。等しく血清補体価が完全抑制されている症例間でも,著効例から無効例まで,速効例から非速効例までと幅広い。このことはMG病態において補体の関与様式が多様であることを示唆している。
Case Report
②難治性全身型重症筋無力症に対するエクリズマブの多様な効果
掲載誌
MG Frontier
Vol.0 No.1 40-43,
2019
著者名
槍沢 公明
記事体裁
抄録
/
症例
疾患領域
神経疾患
診療科目
神経内科
媒体
MG Frontier
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。