吉川 日本抗加齢協会誌『ANTI-AGING BUSINESS』は,産学共同のもと,多くの企業と医師へアンチエイジング・健康長寿についての最新の情報を提供しております.本誌第2号では,元新聞記者でジャーナリストの長谷川幸洋さんと,現在の日本社会の現状と日本人の健康についてお話をしていきたいと思います.長谷川さん,まず,「アンチエイジング」という言葉にはどのようなイメージを持っていらっしゃいますか?
長谷川 一般の方は「アンチエイジング」というと,美肌やサプリメントなどをまず思い浮かべるかと思いますが,私は,働き方や人生に対する考え方が若返りや長生きに非常に重要なのではないかと考えています.
つまり,ストレスとの付き合い方が健康に大きくかかわっている,とサラリーマン時代の経験から身をもって感じたのです.日本の昔ながらの縦割り社会において,出世や残業,通勤ラッシュなどのストレスから暴飲暴食をしたり,家族にあたったりして結果としてストレスがストレスを呼ぶ,まるでデフレスパイラルのような状態に陥って,体調にも悪影響が出てきます.これがアンチエイジングの最大の敵ではないかと思っています.
吉川 これは医師にもいえることかもしれませんね.病院勤務の場合,やはり縦割り社会や超過勤務は大きな問題になっています.ストレスや睡眠不足は体調を崩すもとになりますし,腸内環境にも変化を及ぼすといわれています.長谷川さんは,どのようにストレスに対処していらっしゃるのでしょうか.