シリーズコラム 前立腺癌診療 現在・過去・未来
第2回 手術療法
掲載誌
ESPOIR
Vol.5 No.2 38-40,
2022
著者名
松山豪泰
記事体裁
連載
/
コラム
/
抄録
疾患領域
泌尿器
/
癌
診療科目
泌尿器科
/
腫瘍内科
媒体
ESPOIR
PSAを用いた前立腺がん検診の普及によって限局性前立腺癌が発見されることが多くなり,根治的な手術療法や放射線療法の役割は重要になっています。私が医局に入った1980年代のはじめは,前立腺癌と診断がついた段階ですでに転移のある患者が8割以上を占めていました。そのため,前立腺癌の治療は女性ホルモン製剤の静注と経口薬の内服,あるいは外科的去勢(精巣摘除)が主体であり,前立腺全摘除術は1年に数例ほどでした。教授が執刀していましたが,前立腺周囲組織は血流が豊富であるため手術での出血量は多く,前立腺全摘除術は非常に大変な手術だったのです。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。