特集 過去3年間の新型コロナウイルス感染症の総括と今後の対策
2.新型コロナウイルス感染症の治療法の変遷
掲載誌
感染制御と予防衛生
Vol.7 No.1 9-14,
2023
著者名
倉井 大輔
記事体裁
抄録
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特集
疾患領域
呼吸器
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感染症
診療科目
呼吸器内科
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一般内科
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その他
媒体
感染制御と予防衛生
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の経過は,感染直後のウイルスの増殖が主となる時期と,それに引き続き起こる炎症期に大別される.現在,日本でCOVID-19に対して治療適応がある薬剤は,病初期に有効な抗ウイルス薬・中和抗体薬と,ホストの免疫応答の過剰により生じた炎症を抑える免疫抑制薬・免疫調整薬に分かれる.抗ウイルス薬・中和抗体薬は,二重盲検プラセボ対象無作為化試験で,主要評価項目に有意差を認め認可された.2020年後半以降,呼吸不全を呈するCOVID-19患者の治療薬に変更点はない.一方,軽症から中等症の患者への治療薬は大きく変化している.特に,経口抗ウイルス薬が使用可能になり,COVID-19患者の軽症例での外来治療薬が普及した.しかし,ウイルス変異やCOVID-19ワクチン接種者の増加により,認可時の効果が期待できなくなった治療薬が存在する.また,ワクチン接種者の増加に加え,オミクロン株への変異もあり,COVID-19に感染した時に,入院が必要になる割合は低下している.そのため,感染者への治療は,重症化のリスクの大きさを評価し,抗ウイルス薬の必要性を検討することが重要になった.今回は成人における治療薬の変遷を中心に記載する.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。