細胞分裂の際,DNA複製時に起きる塩基の不対合や誤挿入,欠失といった複製エラーのことをミスマッチといい,約1,000万回に1回の頻度で起きる.通常はミスマッチ修復(mismatch repair:MMR)機能により修復されるが,その機能異常があると細胞分裂を繰り返すたびに複製エラーが生じ,遺伝子変異が蓄積されてがんが発生しやすくなる.このMMR遺伝子としては,これまでに6種類の遺伝子(MLH1MSH2MSH6PMS2MLH3MSH3)が報告されている.