アンチエイジング医療は,単なる外見的改善にとどまらず,生活の質(quality of life;QOL)向上に寄与する重要な医療分野として認識されている.若々しい外観の維持は,自己肯定感の醸成,社会生活への積極的参加,および精神的健康の維持に深く関連する.

メソセラピーは,1952年にフランスの医師Pistorによって考案された,微量の薬剤を皮内または皮下に注入する医療技術である.現在応用範囲は拡張し,アンチエイジング,育毛など,多岐にわたる領域で活用されている1).本稿では,メソセラピーのアンチエイジング領域における最新の知見に焦点を当て,その作用機序,使用される主要な薬剤の特性,具体的な注入方法と深度,さらには今後の展望について考察する.